
出張手配や経費精算の手間を減らしたいと考えていませんか?
ANA Bizは、ANAが提供する国内線法人向けの出張手配システムです。無料で導入でき、法人専用運賃の利用や企業一括精算により、出張コストと管理業務の効率化が可能です。
そこで、この記事ではANA Bizの導入を検討している方へ向けて、サービスの概要や専用運賃の種類、申し込み手順や具体的な使い方について解説します。導入判断や運用の参考にしてみてください。
ANA Bizとは

ANA Bizは、全日本空輸(ANA)が提供する国内線法人向けのインターネット出張手配システムです。2022年3月16日にサービスを開始し、従来の「ANA@desk」の機能を刷新したサービスです。
対象は日本国内に登記がある法人および個人事業主で、事前申し込みのうえ企業IDとパスワードでログインして利用します。導入費・利用料・年会費はすべて無料です。
ANA Bizには、以下のような主な特徴があります。
法人専用運賃(Biz・プレミアムBiz)
ANA Bizでは、一般ユーザーは利用できない法人専用運賃「Biz」と「プレミアムBiz」が利用できます。どちらも搭乗日当日まで予約・発券・変更が可能で、変更手数料はかかりません。
なお、専用運賃以外にも、スーパーバリューセールや一部のANAカード優待運賃などを除いた、ほぼすべての一般運賃も利用できます。
JCBカードレス決済による企業一括精算
ANA Bizの精算方法には、JCB(株式会社ジェーシービー)との企業間決済サービスを利用した「JCBカードレス決済」と、指定の法人カードを利用する方法の2種類があります。なかでもJCBカードレス決済が代表的な契約形態です。
JCBカードレス決済の場合、クレジットカードを発行せず、決済に必要なカード情報はあらかじめ登録されているため、購入時にカード番号を入力する手間がありません。航空券代金は発券月ごとにまとめて企業へ請求される仕組みです。
出張管理・レポート機能
ANA Bizでは、搭乗実績や精算実績をデータとして出力できます。
搭乗者ごとの利用運賃や区間が記載された「搭乗明細書」、発券・変更・払い戻しの金額を確認できる「精算明細書」などをCSVやPDF形式でダウンロードできます。
また、申し込み時に部署・支店ごとに組織IDを設定することで、明細を組織単位で分けて管理することも可能です。
承認者・管理者による代理発券
ANA Bizでは、出張者が予約後に購入申請をおこない、承認権限を持つ承認者・管理者が発券する「購入申請機能」を利用できます。
なお、この機能はJCBカードレス契約の場合のみ利用可能で、法人カード契約では利用できません。
通常予約との違い

ANA Bizは通常のANAウェブサイトと同じ画面・操作性で利用できますが、いくつかの点で異なります。主な違いを下記の表にまとめます。
| 項目 | 通常のANA予約 | ANA Biz |
| 対象 | 個人 | 法人・個人事業主 |
| ログイン | ANAマイレージクラブIDで個人ログイン | 企業ID・パスワードでログイン |
| 専用運賃 | 利用不可 | Biz・プレミアムBiz運賃が利用可 |
| 支払い方法 | 個人での都度決済 | JCBカードレスまたは法人カードで企業一括精算 |
| 立替払い | 必要 | 不要 |
| 領収書 | 発行可 | 発行不可(ご利用明細書で代替 ) |
| 出張管理・レポート | 不可 | 精算明細書・搭乗明細書の出力が可 |
| 購入申請・承認機能 | なし | 購入申請・承認機能あり※1 |
| 導入費用 | 不要 | 不要 |
※1 購入申請・承認機能はJCBカードレス契約の場合のみ利用可能です。法人カード契約では利用できません。
ANA Bizのメリット

ANA Bizを導入することで、出張手配にまつわる手間やコストをさまざまな面で削減できます。
主なメリットは下記の4つです。
- 深夜・早朝でも急な出張手配ができる
- 変更手数料なしで出張コストを抑えられる
- 社員の立替払いと領収書管理が不要になる
- 出張データを管理者が一元把握できる
深夜・早朝でも急な出張手配ができる
ANA Bizは24時間365日、オンラインで予約・発券・変更が可能です。
営業時間や休日に関わらず、急な出張が決まった場合でもその場で手配を完結できます。また、Biz・プレミアムBiz運賃は搭乗日当日まで予約・発券に対応しているため、直前の出張にも柔軟に対応できます。
変更手数料なしで出張コストを抑えられる
ANA Bizの専用運賃「Biz」「プレミアムBiz」は、変更手数料なしで何度でも予約変更が可能な運賃の中で最安値クラスに位置づけられています。
出張の予定変更が多い場合でも、追加コストをかけずに対応できます。早めに日程が確定している場合は、さらに割安なスーパーバリュー運賃なども利用できます。
社員の立替払いと領収書管理が不要になる
ANA Bizでは、航空券代金が発券月ごとにまとめて企業へ一括請求されます。
社員が個人のクレジットカードで立替払いをする必要がなく、領収書の提出・チェック作業も不要になります。経理担当者・出張者双方の事務負担を大幅に軽減できます。
出張データを管理者が一元把握できる
ANA Bizでは、搭乗実績・精算実績・調整金明細をデータとして出力できます。
管理者は予約から精算までの出張情報を一元管理でき、部署・支店ごとに組織IDを設定することで明細を組織単位で分けて把握することも可能です。出張コストの可視化や不正防止にも役立ちます。
ANA Biz専用運賃の種類と特徴

ANA Bizでは、一般ユーザーは利用できない専用運賃「Biz」「プレミアムBiz」に加え、一部を除いたほぼすべての一般運賃も利用できます。
専用運賃は変更可能な一般運賃「フレックス」と同等の料金水準に設定されています。
以下では各運賃の特徴を解説します。
Biz運賃
Biz運賃は、ANA Bizの契約企業のみが利用できるエコノミークラスの専用運賃です。
搭乗日355日前から当日まで予約・発券が可能で、変更手数料はかかりません。ただし運賃額が変更時と購入時で異なる場合は差額調整が必要です。
払い戻しは出発時刻前であれば取消手数料はかかりません。なお2022年11月2日以降の購入分については払戻手数料も不要です。
プレミアムBiz運賃
プレミアムBiz運賃は、ANA Bizの契約企業のみが利用できるファーストクラス(プレミアムクラス)の専用運賃です。
Biz運賃と同様に搭乗当日まで予約・変更が可能で、変更手数料はかかりません。ANA Bizサイトではプレミアムクラスの専用運賃として推奨されています。
なお、機材変更や遅延・欠航などのやむを得ない理由によりエコノミークラスへ変更となる場合は、Biz運賃との差額が払い戻されます。
ANA Bizで利用できる一般運賃
ANA Bizでは専用運賃以外に、一般向けのほぼすべての運賃も利用できます。出張日程が確定しており変更の可能性が低い場合は、専用運賃よりも割安な一般運賃を選ぶことでさらにコストを抑えられます。
- シンプル:最も割安な運賃。予約変更は不可
- スタンダード:事前座席指定・予約変更が可能(手数料あり)
- フレックス:変更・払い戻しが柔軟にできる運賃
ANA Bizの申し込み手順

ANA Bizの申し込みから利用開始まで一般的には約1カ月〜1カ月半かかるため、早めの手続きをおすすめします。
なお、申し込みはPCからのみ対応しており、スマートフォンには対応していません。
ステップ1:ANAウェブサイトの入会フォームから申し込む
ANAウェブサイトの入会フォームに必要事項を入力し、利用規約に同意のうえ申し込みます。この時点で管理者IDとログインパスワードを登録します。利用開始まで大切に保管してください。
なお、申し込みは1企業(法人番号単位)につき1件のみです。支店・部署単位での複数申し込みはできないため、社内で取りまとめのうえ代表部署から申し込んでください。
申し込み完了後、ANAから受付完了メールが届きます。メールには企業IDと管理者IDが記載されています。
ステップ2:JCBのオンライン入会フォームから申し込む
ANAから受付完了メールが届いた後、JCBからオンライン入会フォームのURLがメールで送られてきます。必要事項を入力し、JCBへ申し込みます。
ステップ3:入会承諾書キットに必要書類を添えて返送する
JCBより「入会承諾書」キットが郵送されます。必要事項を記入・捺印のうえ、必要書類とともにJCB指定の送付先へ返送します。
その後JCBより「取引確認文書」が郵送されます。受領後、JCBから「会員番号通知」が郵送されます。
ステップ4:ANAから利用開始案内メールを受け取る
JCB側の手続きが完了すると、ANAより「お申し込み手続き完了によるご利用開始のお知らせ」メールが届きます。このメールが届いた後、ANA Bizサイトへのログインが可能になります。
ステップ5:初期設定をおこなう
管理者IDでANA Bizにログインし、初期設定をおこないます。主な設定内容は下記のとおりです。
- 企業情報の設定(株主優待の利用の有無、購入申請の利用の有無)
- 管理者の設定(管理者の追加・変更)
- 組織IDの設定(部署・支店ごとの明細管理など)
初期設定が完了したら、社内の利用者へ利用開始を周知します。
ANA Bizの使い方

ANA Bizはログイン後、通常のANAウェブサイトと同じ操作性で各種手続きをおこなえます。
ここでは予約・発券から変更・払い戻し、精算データの確認方法まで解説します。
予約・発券の方法
ANA Bizサイトにログイン後、トップページから空席照会をおこない、希望の便・運賃を選択して予約します。
発券(購入)方法は2通りあります。出張者が自身で発券する方法と、出張者が承認者へ購入申請をおこない、承認者が発券する方法です。なお、購入申請機能はJCBカードレス契約の場合のみ利用できます。
JCBカードレス契約の場合、購入時にカード番号の入力は不要です。発券後、航空券代金は発券月ごとにまとめて企業へ請求されます。
予約便の変更方法
ANA Bizサイトにログイン後、「予約確認」から対象の予約を表示し、変更操作をおこないます。変更は出発時刻前までに完了させる必要があります。
Biz・プレミアムBiz運賃の場合、変更手数料はかかりません。ただし運賃額が変更時と購入時で異なる場合は差額調整が必要です。
なお、予約変更ができない運賃の場合は、一旦払い戻しのうえ新たに購入する必要があります。
航空券の払い戻し方法
ANA Bizサイトにログイン後、「予約確認」から対象の予約を表示し、解約・払い戻し操作をおこないます。
Biz・プレミアムBiz運賃の場合、出発時刻前の払い戻しは取消手数料・払戻手数料ともにかかりません。出発時刻以降の払い戻しは運賃額の100%が取消手数料としてかかります。
なお、ANA Bizサイトでの払い戻し操作は旅程の最終搭乗日から4日以内におこなう必要があります。
精算明細書・搭乗明細書の確認方法
管理者・承認者がログイン後、管理者用メンテナンスメニューから各種明細書を確認・ダウンロードできます。
- 精算明細書:発券・変更・払い戻し時の航空券代金や手数料を確認できます。データ反映は操作の2日後で、過去13カ月分を検索できます
- 搭乗明細書:実際に搭乗した実績データを確認できます。データ反映は搭乗の2日後で、同じく過去13カ月分を検索できます
いずれもCSV形式でダウンロードできます。なお、これらの明細書は領収書ではありません。
ANA Bizの注意点

ANA Bizを導入・利用するうえで、あらかじめ把握しておくべき注意点は下記の3つです。
- 個人名の領収書は発行できない
- 国際線には対応していない
- 一部取り扱いのない運賃がある
それぞれ詳しく解説していきます。
領収書の発行はできない
ANA Bizでは企業一括精算の仕組みのため、通常の個人向け領収書は発行できません。
ただし、経費処理に使用できる下記の書類を発行できます。
- ご利用明細書:搭乗者ごとに利用便・利用運賃などが記載された証憑。出張精算に活用できます
- 月次請求書:インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した請求書。管理者・承認者がサイト上でダウンロードできます
なお、精算明細書・調整金明細書・ご利用明細書は適格請求書の要件を満たしていません。インボイス対応の証憑が必要な場合は、月次請求書を使用してください。
国際線には対応していない
ANA Bizは国内線専用のサービスです。ANAの国際線出張手配には対応していません。
国際線の法人向けサービスとしては、別途「ANA ProFlyers Bonus(APF)」への申し込みが必要です。国内線・国際線の両方で出張が多い企業は、ANA BizとAPFをあわせて活用することを検討してください。
一部取り扱いのない運賃がある
ANA Bizでは取り扱いのない運賃があります。以下の運賃はANA Bizサイトから購入できないため注意が必要です。
- プレミアムビジネスきっぷ/ビジネスきっぷ
- アイきっぷ
- スマートシニア空割/スマートU25
- 介護割引/いっしょにマイル割
- セール・ANAカード優待割引・島民割引・ユース・シニア
これらの運賃を利用したい場合は、ANA Bizサポートへ問い合わせのうえ予約・購入する必要があります。
まとめ|ANA Bizで出張管理を効率化しよう
ANA Bizは、ANAが提供する国内線法人向けの出張手配システムです。導入費・利用料・年会費はすべて無料で、法人専用運賃の利用や企業一括精算、出張データの一元管理など、出張にまつわる手間とコストを幅広く削減できます。
24時間365日オンラインで予約・発券・変更が完結するため、急な出張にも柔軟に対応できます。ANAの国内線を頻繁に利用する企業にとって、導入を検討する価値の高いサービスといえるでしょう。
一方で、国際線には対応していない点や、一部取り扱いのない運賃がある点など、事前に把握しておくべき注意点もあります。本記事を参考に、自社の出張スタイルに合った活用方法を検討してみてください。
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