出張費の相場はいくら?1回あたりの総額と費目別の目安

出張費の相場はいくら?1回あたりの総額と費目別の目安

出張費が1回あたりいくらかかるのか、自社の支給額は高いのか低いのか、迷っていませんか。

宿泊費と日当は、公的な調査で平均額が公表されています。ここに交通費を加えれば、出張1回あたりの総額が出せます。

この記事では、費目別の相場と、東京〜大阪・東京〜福岡など区間と泊数ごとに試算した1回あたりの総額、出張費を抑える方法を解説します。同じ区間と泊数で比べれば、自社の金額が高いかどうかを判断できます。

出張費の内訳と費目別の相場

出張費とは、社員が出張する際に会社が負担する費用の総称です。修理業者や職人が顧客に請求する出張料金を指す場合もありますが、この記事で扱うのは企業が社員に支給する出張費です。

出張費は、主に次の3つで構成されます。

  • 交通費
  • 宿泊費
  • 日当(出張手当)

このほか現地での移動費、駐車場代、海外ならビザの取得費用なども出張費に含まれます。それぞれ見ていきます。

交通費

交通費は使った金額をそのまま支給する実費支給が基本のため、一律の相場がありません。

金額を決めるのは、移動する区間と交通手段、予約のタイミングです。同じ東京〜大阪の移動でも、新幹線と航空機では運賃が変わります。同じ新幹線でも、正規運賃と早期予約の割引運賃では差が出ます。

宿泊費と日当は規程で金額が決まっているのに対し、交通費は出張ごとに金額が変わります。

宿泊費

企業が旅費規程で定めている国内出張の宿泊費は、1泊1万円前後です。実際のホテルの宿泊料金ではなく、会社が支給する金額または上限額の水準です。

財務省が令和5年6〜7月に実施した調査(有効回答551社)で、宿泊料を定額または上限額で支給している400社の平均額は1万672円でした。報告書では最低額8,330円、最高額1万3,766円と集計されています。

このうち上限を決めて実費を支給している241社に絞ると、上限額の平均は1万1,304円でした。

海外出張の宿泊料は、定額または上限付き実費で支給する企業の円建て平均で1万9,355円でした。

この調査は上場企業を対象としています。中小企業がそのまま採用すべき金額ではなく、自社の規模と出張の実態に合わせて判断してください。

日当(出張手当)

日当は、出張中の食事代や通信費などの雑費を補う目的で支給する定額の手当です。対象とする費用は企業の規程によって異なり、食事代を別途支給する会社もあります。

同じ調査で、日当を支給している487社の平均額は2,621円でした。報告書では最低額1,780円、最高額3,786円と集計されています。海外出張の日当は、定額支給を行う企業の円建て平均で5,441円でした。

日当そのものに領収書は必要ありませんが、出張した事実を示す記録は必要です。日当の位置づけや導入手順は出張手当(日当)とは何か?支給のメリット・デメリットと導入手順、非課税になる条件や勘定科目の扱いは、旅費規程とは?記載項目・日当の相場・作り方を解説をご覧ください。

出典:財務省|民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書

【モデルケース】出張費は1回あたりいくらかかる?

出張費の合計額は、移動する区間と泊数で決まります。次の4パターンで試算しました。

  • 東京〜大阪の日帰り出張
  • 東京〜大阪の1泊2日出張
  • 東京〜福岡の1泊2日出張
  • 海外への3泊4日出張

交通費は新幹線の正規運賃(のぞみ号の普通車指定席・通常期)、宿泊費と日当は財務省の調査による平均額を使っています。

財務省の調査では、日当を日帰り出張と宿泊出張で区分していません。早期予約の割引運賃や航空機を使った場合、現地の移動費を加えた場合は金額が変わります。実際の平均出張費ではなく、正規運賃で新幹線を利用した場合の試算です。

それぞれ見ていきます。

東京〜大阪の日帰り出張

東京〜大阪を日帰りで往復した場合、出張費は3万円台です。

費目計算金額
交通費1万4,720円×22万9,440円
宿泊費なし0円
日当2,621円×1日2,621円
合計3万2,061円

交通費は東京駅〜新大阪駅の金額です。宿泊がなくても、交通費だけで3万円近くかかります。総額の9割を交通費が占めます。

東京〜大阪の1泊2日出張

同じ区間に1泊すると、出張費は4万円台に上がります。

費目計算金額
交通費1万4,720円×22万9,440円
宿泊費1万672円×1泊1万672円
日当2,621円×2日5,242円
合計4万5,354円

日帰りとの差は1万3,293円です。1泊延びるごとに、宿泊費1万672円と日当2,621円が加算されます。

東京〜福岡の1泊2日出張

距離が長くなると、交通費の比重がさらに大きくなります。

費目計算金額
交通費2万3,810円×24万7,620円
宿泊費1万672円×1泊1万672円
日当2,621円×2日5,242円
合計6万3,534円

交通費は東京駅〜博多駅の金額です。大阪との差額1万8,180円は、すべて交通費の差です。

海外出張(3泊4日)の宿泊費と日当

海外出張は、宿泊費と日当だけで8万円近くになります。

費目計算金額
宿泊費1万9,355円×3泊5万8,065円
日当5,441円×4日2万1,764円
小計7万9,829円

宿泊費と日当は、その支給方法をとる企業の平均額です。1泊あたりの宿泊費は国内のおよそ1.8倍、1日あたりの日当はおよそ2倍です。航空券と現地の移動費は含めていません。航空券は路線と時期で大きく変動します。

自社の出張費が相場より高いかどうかは、この総額と自社の1回あたりの金額を並べると見えてきます。

出典:

JR東海|アクセス検索

財務省|民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書

出張費を相場内に抑える3つの方法

出張費のうち、削減余地が大きいのは交通費です。宿泊費と日当も上限額や支給方式を変えれば下げられますが、規程の改定が必要になります。方法は次の3つです。

  • 株主優待券の活用
  • 法人向け予約サービスの利用
  • 出張回数の削減

それぞれ見ていきます。

株主優待券の活用

航空会社と鉄道会社の株主優待割引を使うと、正規運賃より安く移動できます。

会社割引内容
ANA指定の基準運賃から約50%割引
JALフレックス(普通席はタイプB)の50%割引
JR東海1枚で1割引、2枚まで併用可
JR東日本1枚で4割引、2枚以上の併用は不可
JR西日本1枚で5割引、2枚以上の併用は不可

株主を対象とした制度ですが、優待券は金券として流通しており、株式を保有していなくても購入できます。会社の負担は、割引後の運賃に優待券の購入代を加えた金額です。

5社すべてが他の割引運賃との併用を認めていません。早期予約の割引運賃とは、この合計額で比べてどちらか一方を選びます。JR各社の優待券は自社の営業路線内でしか使えないため、区間の確認も必要です。

使い方はANA株主優待で羽田–伊丹に乗ってみたJR西日本株主優待券の使い方を徹底解説をご覧ください。

出典:

ANA|株主優待割引

JAL|株主割引ご利用案内

JR東海|株主優待制度

JR東日本|株主優待割引券

JR西日本|株主優待鉄道割引券

法人向け予約サービスの利用

出張が多い会社は、法人向けの予約サービスで精算の手間を減らせます。運賃が安くなるとは限りません。減るのは立替と精算の作業です。

請求書での一括支払いに対応しているため、社員が運賃を立て替える必要がありません。利用明細も一元管理され、経理が領収書を集める作業がなくなります。代表的なものは、航空会社のANA BizJALオンライン、鉄道のビジネスえきねっとです。いずれも法人契約を結んだうえで利用します。

株優NOWでは購入画面で優待券の価格を確認できます。予約サービスの運賃と見比べて、購入方法を決めてください。

出張回数の削減

出張そのものを減らせば、交通費と宿泊費と日当のすべてが減ります。

対象になるのは、打ち合わせだけを目的とした出張です。オンライン会議に振り替えられるものと、現地で確認する作業があるものを分けて考えます。

判断の材料になるのは出張報告書です。過去1年分を見返すと、振り替えられる出張が見つかります。書き方は出張報告書の書き方|記載10項目とコツ5つを解説をご覧ください。

まとめ|出張費の相場を確認したあとの3つの手順

相場を調べる目的は、自社の金額が妥当かを確かめることです。ただし平均に合わせても出張費は下がりません。宿泊費と日当を平均どおりに設定しても、総額の大半を占める交通費はそのまま残ります。

手順は3つです。

  • 直近の出張1件の総額を出す
  • 交通費の割合を確認する
  • 割合が高ければ、購入方法を変える

自社の金額が平均から離れていた場合は、旅費規程を見直します。宿泊費の上限や利用できる座席クラス、予約の期限を規程に定めれば、支出そのものも抑えられます。金額の決め方や条文の書き方は旅費規程とは?記載項目・日当の相場・作り方を解説をご覧ください。

株主優待券が選択肢になるのは、割引運賃の締切を過ぎた出張です。優待券の購入代を加えた総額と、そのときに買える運賃を比べて決めてください。

株優NOWではANA・JAL・JR各社の優待券を24時間購入でき、決済後すぐにコードが届きます。インボイスに対応した電子領収書が発行されるため、そのまま経費精算に回せます。

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